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2004年11月

2004年11月30日 (火)

セリフ入れ替え

「自分で思う以上に、ダメ人間だったショック」からまだ立ち直れずにいたが、4日に「坊っちゃん」の公演があるのでぼんやりはしていられない。またしても気合でセリフを入れ替える。

きららの時は一度上演していたので一晩でも入れ替えが出来たが、「坊っちゃん」は初めてな上に、稽古も一度参加しただけなので、なかなかセリフが入ってこない。一人部屋の中で動きながら、なんとか体で覚える。

昼からは「人工島を文化的に活用するための検討委員会」の第一回目の会合。まずは人工島を視察してから市役所で話し合い。が、実は朝から具合が悪くて、会議の時がピークだったので発言をあまりしないまま会議が終了してしまった。さすがに、スケジュールがハードすぎたか・・・。そのあとに予定していた打ち合わせをキャンセルさせてもらって家で休養する。

2004年11月29日 (月)

39歳、上海にて男泣き

昨日、気持ちよく酔っぱらいホテルに帰ってからのことはよく覚えていない。どうやらアラマッキーの話を聞いている途中で寝てしまっていたらしい。でも、今朝はきちっと6時過ぎに起きて、集合時間に学校に行く。出発時の不祥事があるので、「上海では絶対迷惑をかけないぞ」と心に誓っているのだ。

ところが、ボクらを空港まで送るバスがなかなか来ない。どうやら大渋滞に捕まっているらしい。「出国の手続きがあるので、直前についても間に合わない・・・」とみんなで心配していたら、学校の方から「文化部に交渉したので、すぐに飛行機に乗れるはず。心配はいらない。」との話が。色んな意味で、凄い学校だったんだなぁと感心する。

空港に着いたら、話の通りスムーズに手続きが終了。おかげでお土産を買う時間も出来てみんな喜ぶ。で、無事買い物も済ませてちょっと余裕で飛行機に乗ろうとした時、信じられない事が起きた。行きで「あわやパスポート紛失か」と騒がせたボクが、「もう2度と迷惑をかけないぞ」と誓ったボクが、あろう事か、

チケットを無くしてしまったのだ!

すでに搭乗手続きが終わっていたので無事飛行機には乗れたが、なんという不注意、なんという大迷惑。これでも自分の劇団を持つ身なのに、「家に帰るまでが遠足だぞ!」と自分の劇団では叱っている立場なのに、このだらしなさは何だ。自分のバカさが自分で信じられない。自分に腹が立つ。

きららのみんなは、1度ならず2度までもしくじったボクに「きっと今回の不運を全部背負ってくれたんだよ」と優しい。その優しさやら、自分の情けなさやらで本当に泣けてきた。

自分のバカさを戒めるために、各方面から「お叱りコメント」がくるのを覚悟の上で正直に書く。

2004年11月28日 (日)

あっと言う間に

2日目ともなると色んな事に慣れてくる。横断歩道、食堂でのやりとり、コンビニでの買い物(ホテルの側にローソンがある)。まあ慣れたとは言っても、「一度経験したことだけ」なので、イレギュラーなことが起きるとすぐに「小動物回路」が作動してアワアワするんだけどね・・・。

しかし、朝、昼、夜は学校のバイキングで、夜中はコンビニや屋台でと上海に来て食べっぱなし。どれもおいしいのでつい食べ過ぎてしまう。池田さんは、「慎ましやかに生きる人々の芝居をやっているのに、出演者はみんな食べ過ぎだなぁ」と笑っている。ただ、学校のバイキングで出てくるスープだけは合わなかった。ちょっと悪いかなぁとは思いながらもローソンで買ったインスタントみそ汁(「あさげ」などお馴染みの日本製品を売っている)を持ち込んでスープ代わりにする。

今日の2回も無事終了。初めてきららに参加した作品で、こうして上海に来れるとは夢にも思わなかった(あの・・・危うく・・・「来れないかも・・・」という、大変な事になりかけましたが・・・関係者の皆様、本当にお騒がせしました)。

夜は、今回ずっときららのコーディネートしてくれている留学生の「ギ君」の案内で、地元の人が行く食堂で打ち上げ。上海ビールで乾杯して、地元料理を食べて大騒ぎ。老酒を飲んで、かなり上機嫌。こうして上海最後の夜が終了。

2004年11月27日 (土)

上海事情

朝ご飯を食べにホテルから学校へ。ホテルはアラマッキーが同室だし。別の部屋には池田さん達もいるので怖くない。みんなと一緒に朝の上海を歩く。「ああ・・・一人じゃないから楽しい」。

開発ラッシュが続く上海は、どこを見ても高層ビルが建っている。しかもどのビルもデザインに凝ったビルばかり。街の勢いに圧倒されてしまう。あと驚いたのが交通事情。とにかく車の乱暴なことといったら!お互いクラクションを鳴らしまくりながらまるでレースの様に追い越しながら走っていく。よく事故が起きないなぁ。

さらに「赤でも右折OK」という恐ろしいルール(上海は右側通行)もあり、横断歩道の信号が青だからといってのんびり渡っていると右折車にはねられそうになる。ボクは危うくバイクにはねられそうになった。上海には「歩行者優先」なんて考えはないみたい。

バイキング形式の朝ご飯を食べて、公演の準備。会場は、元々ドイツの映画会社が使っていたという1920年に造られた建物。激動の歴史をたどってきたんだろうなぁ。大きさはぽんプラザをちょっと大きくした感じ。中に入ると、いつものきららの劇空間が出来ているのが不思議な感じがする。だってここは上海なのに。

いよいよ一回目の本番。先に中国語の簡単なあらすじを配っての上演だったが、全編日本語なので果たして集中してくれるだろうかと不安になりつつ、でも、「いつも通りにやるしかない」と開き直って演じる。全部とはいかないが、でも何カ所かは「同じ空気を共有」した手応えを感じた。終わった後はそのまま劇場で観客と共に討論会へ。一回目だけ討論会が設定されていたのだ。するどい質問もあり、作品をちゃんと感じてくれたことがわかり嬉しかった。

2回目も無事終わり、希望者を集めて上海観光へ。みんなと一緒なら怖くない。ボクも喜んで参加。地下鉄に乗って移動して夜の上海を歩く。みんなに「ほら、迷子になったら、また一人ですよ」なんてからかわれつつワイワイ歩く。上海バンスキングの舞台になったホテルや、上海タワーをバックにみんなで写真を撮って楽しく過ごす。 

2004年11月26日 (金)

まさかの一人旅

出国と入国の手続きが出来るだろうか・・・。昨日乗り遅れた時点からボクの頭はそのことで一杯。基本的に「おウチ大好き引きこもり」のボク。海外旅行の経験は、番組のロケで韓国に一回行っただけ。しかもその一回は全て番組スタッフ任せだったので、どうやって出入国の手続きをしたのか全然知らない。今回の上海も、みんなで一緒だから大丈夫と思ってたんだよなぁ・・・トホホ。自業自得とは言え泣きそう。

空港に着き次第、先に上海入りしているアラマッキーに電話してどうしたらいいのかを聞きながら手続き。何度も係の人に聞きながらやっと全ての手続きを終わらせて待合室へ。言葉が通じる日本でこれだけ苦労したという事は、上海に着いたらどうなるんだろう・・・入国出来るのかな・・・・。不安で一杯のところに空港職員の女性が話しかけてきた。「うわ、何かミスか!」と慌てたら、なんとその女性はギンギラのお客様で「嘉穂劇場行きましたよ」と笑顔。「独りぼっち感」で泣きそうだったので、身内に会えた様で嬉しかった。声をかけてくれてありがとう。

でも楽しかったのはこの時だけ、日本語のアナウンスが一回も流れない飛行機に乗り、何だかわからない飲み物を出され、緊張しっぱなしの機内。そしていよいよ上海。とりあえず「降りた乗客の中心」にいて流れに任せて移動する。どこをどう歩いたのかなんて全然覚えていない。というか、どこなのか最初からさっぱりわからない。緊張がピークに達したところで、さあいよいよ入国審査!流れで行動出来たのはここまで、審査は一人ずつ、もうごまかせない。出来ている列に並んでいると、みんなカードの様なモノを持っている。そう言えば、飛行機の中で不愛想なスチュワーデスからカードをもらった。周りを見ると、みんなそのカードに記入している。ああ・・・ボクも書かなきゃ・・・でもどう書けばいい?ボクの前と後ろはどう見ても外国人。・・・聞けない・・というか、なんて聞けばいいかわからない。ああ・・もうすぐボクの番、「もうダメ!」とりあえず列を離れて深呼吸。小動物の様にビクビクする。いかん、これじゃあ不審者と思われてしまう・・・ああ、どうしよう。ああ・・・どうして昨日の飛行機に乗れなかったんだろう・・・。

空港ロビーには迎えが来ているはず。何とか入国審査を乗り切り、ロビーまでたどり着かなければ・・・。

「よし!」覚悟を決めて自分を切り替える。それまでは「小動物のような気分」に支配されてドキドキしっぱなしだったが、もう開き直るしかない、「ああ、もうどうにでもなれ!」後ろの列がイライラしていることにもかまわず、片言の英語で一つずつ聞きながら、入国審査を乗り切る。やっとの事で審査が終わりロビーで知り合いを見た時は、マジで泣きそうだった。

「やっとついた・・・。」

迎えの車でそのまま劇場へ。せっかく上海の街を車で移動したのだが安心してホッとしたのか、一気に疲れがでてすぐに寝てしまう。さすがに上海タワーの前では起きてしっかり見学して、劇場がある学校に到着。みんなに会えてホッとする。ああやっと合流出来た! 

2004年11月25日 (木)

今日から上海・・・のハズが!!

さあ家を出て空港に行こうとしたら・・・パスポートが無い事に気づく。信じられない。海外といえばまずはパスポートだろう!よりにもよって家を出る直前にパスポートが無いことに気づくとは!!もうパニック。池田さんにすぐ連絡して、アワアワしながら部屋中を探しまくる。

「ああ・・・・どうしよう・・・・昨日ちゃんと机の上に持っていくモノをまとめておいたのに・・・その時はあったのに・・・なぜ無い・・・どこだ・・・思い出せ!ああ、まさか昨日の大掃除か!」

昨日、確かに机の上に置いたあと、興奮して眠れないボクは部屋の大掃除を始めた。公演が終わってからずっと忙しくて散らかり放題だったので、せめて旅立つ前に掃除をして気を紛らわせようとしたのだ。その時のゴミに紛れ込んだのかも・・・。ボクは泣きそうになった。というのも昨日の夜はゴミの日だったので、もしゴミに紛れ込んだならもうどうしようもないからだ!!

昨日の夜のゴミは大きな袋で3つだった。幸い、最後の1つは台所のゴミ用にまだ出さずにいた。もう汚いとか言ってられない。ゴミ全てを部屋にぶちまけてパスポートを探す。ここになければ・・・昨日の夜中に運ばれていることになる。必死に探す・・・でも・・・無い。

最悪の事態に備えてパスポートセンターに再発行について問い合わせたら、3週間掛かるとのこと。無くなったとしたら絶対週末の公演に間に合わない。うう・・・・そんなのあり得ない!

池田さんから、「きっとあるから、とりあえず一休みして考えてみて。今日乗れなくても最悪土曜の飛行機でも間に合うから・・・」と、励ましの電話が掛かってくる。ああ、こんなバカなミスをするなんて、ホント自分でも信じられない。池田さんに言われた通り、一旦落ち着いて、もう一度最後の望みのゴミの山を調べる。今度は新聞のページも全部めくりながら隅々まで探す。

「あった!」

ぐしゃぐしゃに丸まった朝刊の間からパスポ-トが出てきた。危なかった・・・すでに捨てた袋に入って無くて本当に良かった。

すぐに池田さんに電話をしてあった事を知らせる。そのあと代理店に電話して速攻で明日のチケットを取ってもらう。色々段取りを済ませて時計を見ると、ちょう上海行きの離陸の時間。マンションの玄関からは離陸する様子が見えるので外へ出る。

自分が乗るはずだった飛行機を見送るのはなんとも悲しい気分だった。

上海に到着した頃にもう一度電話をかけて、ひたすらお詫びする。明日こそ上海に行くぞ!・・・でも、入国手続きとかどうやるんだろう?自分のバカさが原因とは言え、一人旅がものすごく不安だ。

2004年11月24日 (水)

DVD計画着々と

昼から西鉄エージェンシーでDVDの打ち合わせ。今回DVDの発売元は西鉄エージェンシーで、井上陽水CDの次のコンテンツとしてギンギラのDVDをという事になっているのだ。さらにローソンチケットも協力してくれることになり、なんと今回のDVDは全国のローソンでも予約販売することが決まっている。今日は発売までの細かいスケジュールの確認と、DVD制作進行についての打ち合わせ。

なお、予約は12月15日から全国のローソンで受け付け、発売は3月を予定している。

2004年11月23日 (火)

上海前の最後の稽古

昼間はゆっくり原稿を書いて夕方から熊本へ。一昨日のリハーサルで大体仕上がっているので、今日はリラックスして稽古。ああ・・・演じるのって本当に楽しいなぁ。やはりボクは役者をやるのが一番好きなんだなと再確認。

まあこうやって役者を存分にやることで、今度は作・演出モードのボクが騒ぎ出すはず。要はバランスだよね。

2004年11月22日 (月)

今週もバタバタ

午前中授業をして午後からいくつか打ち合わせ。今週後半から上海に行くので、色々済ませておこうと思ったら結局バタバタなスケジュールになっている。結局今日は夜までバタバタしていた。

昨日「限りなく本番のテンション」で一公演をやったので、さすがに体が疲れている。今日は熊本への移動はないので、夜はゆっくり風呂に入って脚本を読んでから寝る。

2004年11月21日 (日)

公開リハーサル

稽古場で一度通し稽古をしてからリハーサル会場へ移動。会場の都合上、50人限定の公開リハーサルだが、こっちの思いとしては本番をやるのと全然変わらない。しっかり衣装を身につけて、50人のお客様に「自分のベストの演技」を観てもらえるように集中。お客様の反応は上々だった。ちゃんと本番レベルまで戻して演じれたと思う。

上海では日本語のまま上演することになっているが、反応ってどうなんだろう・・・。あらすじや途中の場面を説明する紙を配って上演とのことなので、表情や動きで察してもらうことになるんだろうなぁ。

2004年11月20日 (土)

補講&福大イベント

朝イチで福岡に戻り授業。今日は公演中に休んでいた分の補講。90分の授業を4コマまとめて消化なので11時から17時半までみっちり詰まっている。というわけで、今日の福大のイベントには参加出来ず。みんな楽しくやってくれているといいなぁと思いつつ授業。

まあ、授業といってもみんなでエチュードしたりゴッコ遊びをしたりと、基本的に遊びみたいなモノなので、1日ワイワイ過ごす。

授業が終わった後は再び熊本へ。さあ明日はいよいよお客様に観てもらう日。気合いが入る。明日は昼から稽古なのでそのまま熊本に泊まる。事務所で騒いでいるうちにいつの間にか寝てしまいそのまま翌日の稽古となった。ああ・・・こうして「どっぷりと役者として過ごす日々」が楽しくて仕方がない。役者モードのボクは大満足。 

2004年11月19日 (金)

熊本へ

朝方家に帰ってきて仮眠をとってから熊本へ。前回の通しは乗り切ったが、全体に大雑把になっていたなぁとの反省があったので、今日は細かい部分にも気をつけながら稽古。ぼんやりしている場面を演出に確認したり、間がずれている場面を相手役と確認する。

あさっては、上海前にお客様を集めて公開リハーサルをする日なので気を抜けない。今日と明日の稽古で、お客様に観てもらえる本番レベルにまで戻さないと。

2004年11月18日 (木)

それぞれ頑張ってます&取材

ボクは仕事で出れないが、今週末に福大でギンギラのミニライブがある。今日は追加分の脚本を持って市民会館の稽古場へ。稽古場には立石さんとヒデさんがいた。2人は、昼から「すぎのとを」の稽古をして、夜はそのまま同じ場所でギンギラの稽古と、なかなかハードなスケジュール。

ボクもハードに(でも楽しく)過ごしているが、ギンギラの女優陣も頑張っている。書き直した分を渡して打ち合わせをして、ボクもアクティブの稽古場へ。

「すぎのとを」は、ギンギラの2人と、飛ぶ劇場の内田さんが出演する女3人芝居。かなり面白い芝居なのでお見逃しなく!なお、初日はボクもちょっとだけゲスト出演します。

アクティブの稽古が終わったとは、ギンギラ新聞の取材。今回は線路の保守点検を見学することになっているので深夜1時に現地集合。ああ・・・昨日の夜ゆっくり出来て良かった。

2004年11月17日 (水)

対談

朝イチで熊本から福岡に戻り原稿を書く。午後からは新聞の対談。とまとママとボクで笑いについて語ってくれとの依頼だったが、先週まで公演で一緒だったので嘉穂の話が多くなってしまったかも。

そのあとは授業・・・・と思ったら手違いで休講になっていた。「わざわざ来たのに!」と怒る気持ちより、思わぬところで休みをもらえたようでホッとしてしまった。

明日はアクティブの稽古なので、家で脚本を読んでゆっくり過ごす。

2004年11月16日 (火)

きらら通し稽古

昨日から数え切れないぐらい脚本を読み直して全てのセリフを覚え直す。人間やれば出来るのである。でもボクはまだまだ。知り合いには、一度稽古するだけで全てセリフを覚えてしまう凄い役者もいる。上には上がいる。ボクは天才ではないので根性で乗り切るしかない。だから何度も脚本を読んで気合で覚え直す。

午前中でセリフを仕上げ、午後から市役所で打ち合わせ。大橋に出来る演劇練習場の名前を決める委員になってくれとのこと。そのあとは人工島担当の方に会いに行く。こっちは公演を観に来てくれたお礼と、アイランドシティ・アート懇談会についての打ち合わせ(「人工島でアートを」ということで色々意見を求められていて、その懇親会のメンバーを頼まれているのだ)。ちなみにボクは、小屋を造るならただの貸し館ではなくて、2ヶ月ぐらい借り切って稽古も出来て、装置も建て込んでそのまま本番が出来るような空間を作って欲しいとお願いしている。

最近色々なことを頼まれる。はたしてボクでいいのかよくわからないが、いつもお世話になっているので、こういう機会に恩返しをしておかないとと思う。市役所の次は西日本新聞の方と連載の打ち合わせ。夕刊で短い文章を書くことになりそう。

全ての打ち合わせを夕方までに済ませて、熊本へ。半年ぶりの稽古初日が、通し稽古というすさまじい状況だったが(きららのみんなは当然稽古をかさねている)、根性で乗り切った。

2004年11月15日 (月)

感謝

今朝も朝8時過ぎに起きて、いつも通りお稲荷様へ。ちょうど劇場の伊藤さんご夫婦が仕事に出かけていくところだったので見送る。劇場の方をボクが見送るというシチュエーションがなんともおかしい。たった5日間だったが、すっかり実家に里帰りしたような気分になっている。英子さんが自分のお祖母ちゃんのよう。このまま劇場に住みたいぐらい。

昼まで劇場で片付けをして英子さんに挨拶をして福岡へ。英子さんに「また来年おいでよ」と言ってもらえたのが嬉しい。

夕方まで仮眠をして、いくつか仕事の打ち合わせ。公演中ほったらかしにしていた仕事を今週で片付けなければ!

夜8時半よりじゃんくうで打ち上げ。参加メンバーは60人。本当は70人ぐらいが公演に関わっているのだが、都合があわない人もいて全員参加とはならなかった。でも60人以上来てくれたのでなにより。今日はボクは酔えない。ボクのやりたいことを実現してくれた一人一人に、せめてビールをついで、しっかり握手して、ちゃんとお礼を言おうと思っているから。

一次会でみんなにお礼を言って帰宅。明日は熊本で、きららの通し稽古なので、セリフを入れ直す。来週は上海公演、今日一晩でセリフを全て覚え直す。体はヘロヘロだが、役者モードの自分は大喜び、「嘉穂で暴れられなかった分きららで頑張るぞ!」と言うわけ。 

2004年11月14日 (日)

史上2回目の!

今朝もまずはお稲荷様にお参りから。誰もいない劇場に入って昨日のことをしみじみ振り返る。役者モードのボクは出番が少なくて怒っているが、作・演出モードのボクは、もう幸せ一杯。苦しかった日々も昨日で報われた。・・・まあ、苦しいとは言っても、好きなことが出来てるから、もちろんその苦しさを含めて幸せなんだけどね。

今日はDVD用のカメラが入る日(今回の公演はDVDとして、ローソンで全国発売されることが決まっている。この日記で「秘密の計画」と書いていたのはこのDVDの件だった)。ところが、よりにもよって収録している公演でとんでもないことが起きた。

なんと史上2回目のかぶり忘れ事件が起きたのだ!

1000人近いお客様が観ている中で、かぶり忘れ。しかもかぶり忘れた役者のあとに登場するのはボク。「さあどうする?」答えがでるより先に楽屋に走り、かぶり忘れたかぶりモノを探し、それを手に持って舞台に飛び出す。

で、そのあとどうしたと思う?

なんと、一度芝居を中断してお客様を巻き込んで大騒ぎしてから、その間にかぶりモノをかぶってもらって芝居に戻すという、普通の公演だったらあり得ない(お祭りだからこそ許されたと思っている)禁じ手を使って解決を図ったのだ。ああ・・・今思い出しても恐ろしくて、それ以上に楽しいハプニングだった。

なお、この様子は、もしかするとDVDの特典映像として一生残るかもしれない。

昼公演はハプニングが起きて大騒ぎだったが、夜は、芝居も段取りも全てがうまくいったと思う。どの場面も良かった。スタッフも役者も、みんな本当によくやってくれた。嬉しくて泣けてしまった。「いい歳してもう・・・」と、自分でもあきれるが、泣けて仕方なかった。

劇場に泊まる日々は今日で終わる。最後の夜は、劇場に泊まった役者達と一緒に朝5時ぐらいまで枡席で過ごしていた。

2004年11月13日 (土)

いよいよ本番

朝からキッカケ合わせの続き。かなりバタバタになってしまったが、重要な部分の確認をやってゲネへ。で、ゲネが終わったと思ったらもう開場時間。あっと言う間に時間が過ぎていく。初日はいつもこうだなぁ。

まずは開場時間中にバス軍団で登場。記念写真コーナーで大いに盛り上がる。ついに実現する公演なので、お客様の熱気も凄い。そしていよいよ開演。中止になってから1年、ついにこの時が来た。役者達には、「今出来ていることを落ち着いてやってくれればOKだから、心配せずに楽しんでくれ」と声をかけて本番へ。

オープニングは城の炎上シーンから。時代劇では火事のシーンが縁起物なので、そのお約束をふまえての場面。場面構成までを含めて「大好きな時代劇の要素」をこれでもかと盛り込んでいるのだ。

オープニングからお客様の反応は良い感じ。途中シリアス場面では息をのみ、笑って欲しい場面では笑いだけでなく拍手まで起きた。本当に嬉しかった。終わったあとは東京のローソンチケットの方と北海道の劇団NACSの方が舞台裏に来てくれた。わざわざ来てくれたのだが、公演を楽しんでくれたようでなによりだった。あときららのみんなが来てくれたのも嬉しかったなぁ。

今回の作品はどっぷり時代劇なので、時代劇をあまり知らない何人かの役者達は、正直、本番まで不安がっていた。あと規模が大きいために意思の疎通がうまくいかなくて苦労したこともあった。作・演出として、主宰として、ここ数ヶ月「これでいいんだ」と言い続けながらひっぱってきたが、作り手の宿命として孤独な作業だった。その苦労が全て報われた。

2004年11月12日 (金)

小屋生活2日目

予定通り朝8時に起床。体はヘトヘトだが、「始まる喜び」で乗り切っている。まずは劇場横にあるお稲荷様にお酒を持ってお参りへ。

今日はひたすらキッカケ合わせ。各スタッフが頑張ってくれているのでどの場面もイメージ通り。「おお、カッコイイ!」を連発しながら楽しく過ごす。昼からは「舞台を回す12人」も来たので、廻り舞台を実際に回してみる。役者もみんな集合している中でテストしたが、見事に回っていく舞台をみて全員大喜び。拍手喝采だった。いやー盛り上がったなぁ・・・。ああ、早くお客様にも見せたい!

夜11時でキッカケ合わせは終了。そのあとは昨日と同じように居残りスタッフとボクだけで作業が続く。今日も朝5時まで頑張ってから風呂、そして真っ暗な劇場で過ごして・・・と、昨日とまるで同じ過ごし方。「夜中に真っ暗な劇場にいるなんて怖くないんですか」と聞かれたが全然怖いなんて思わない。枡席に座っていると、劇場に包まれているような感じで、とっても安心するのだ。

2004年11月11日 (木)

いよいよ小屋入り

朝9時に倉庫に集合。レンタカーを含む3台の車で荷物を嘉穂劇場に運ぶ。ボクとヤッちゃんは松清貴樹が運転するレンタカーで移動。いよいよ始まるのが嬉しくて、車の中は大騒ぎ。

劇場に着くとすでにセットがいくつか完成していて、それを見てますます嬉しくなる。夕方まで衣装合わせをして、役者は福岡へ戻って稽古。ボクはそのまま劇場に残り、次々出来ていくセットの確認と、照明、音響の打ち合わせ。明日の仕込みが少しでもスムーズにいくようにスタッフだけで作業を進める。スタッフだけといっても、舞台だけで30人近くの人間が動いているので劇場内は熱気に包まれている。

こんなにたくさんのスタッフがいる公演も始めて。改めてギンギラ史上最大だなぁと思う。で、最大なだけあって、当然かぶりモノも多い。楽屋の座長部屋(奴隷部屋と言った方が良いかも・・・)で残っているかぶりモノを仕上げながら、舞台から呼ばれると確認にいく。セットは11時ぐらいでメドがついたが、音響照明はまだまだ作業が続く。

普通の会館だと、退出時間があってバタバタするのだが、「大きな音を出さなければ深夜まで作業して良いよ」との許しをもらっているので、安心して作業が出来る。さすが芝居小屋!結局深夜の2時過ぎまで劇場で作業。

そのあとは部屋でかぶりモノ作り。明日は8時起きなので、5時まで頑張る。楽屋の風呂にゆっくり入って、真っ暗な劇場の中でしばらく過ごしてから寝る。

大塚ムネトの不定期日記