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2013年9月

2013年9月26日 (木)

CMロケハン

CMで使う家を見に行く。いつもだと候補であがっている家を何件か回って選ぶのだが、今回は、資料写真を見て一発で気に入った家があるので、ほとんど「狙いうち」な感じで見に行く。

その家は、築70年の立派な日本家屋で、外観だけでなく、室内もイメージにぴったり。撮影では、「外観と室内が別の場所」なんてことも多いのだが、ここならすべてが撮影できるのだ。

昼からはスタッフ全体会議。かぶり物イメージ、脚本確認、衣装、小道具などすべてを決めていく。

撮影は来月の3日。もうすぐだ!

2013年9月23日 (月)

楽しみなSF、がっかりなSF、拾いものなSF

SFな話を3つ。まずは、ツタヤの名作レスキューと言う企画の話から。この企画は、埋もれた名作映画をリクエストに応えてdvd化するというもので、なんと一位に選ばれたのがB級SF映画の「宇宙の7人」とのこと。

この映画は、B級映画の帝王ロジャーコーマンが製作した「荒野の7人」の宇宙版。若い頃のジェームズ・キャメロンが特撮を担当していたり、大好きな映画音楽家ホーナーのデビュー作でもある。まさかこの「愛すべきB級映画」が一位とは!マニアががんばって投票したのかな。日本ではVHSとLDでしか発売されてないので(もちろん両方持ってる!)楽しみ。

がっかりな話は、「新たな金型で忠実に再現」というのが売りだった、「宇宙空母ギャラクティカのプラモデル」が、それほどでもなさそうな件。期待してたんだけどなぁ。このプラモは9月公演のご褒美として注文しているので、淡い期待を抱きつつ待とうかと。

拾いものだったのは、ツタヤで借りた低予算B級SF映画「トランス・ワールド」。時空を超えて集まった登場人物たちが繰り広げるSFミステリーで、物語の中盤で展開が見えたかなと思ったら、さらにいくつものひねりがきいていて見応えがある作品だった。 

2013年9月22日 (日)

WET本番までがボクの責任

ギンギラ公演に参加してくれているWETメンバーの本公演。アフタートークを頼まれていたので、今日の公演を観る。

もう、気分は顧問の先生というか・・。

ギンギラの稽古中も、出来ることは何でも手伝った。脚本のアドバイス、装置のアイデア、小道具の材料提供など。だって、「ギンギラの舞台とかけもちでやったからつまらなかった」なんて、絶対に言わせない作品であってほしかったからね。

なので、WETメンバーが存分に暴れている舞台を観て、嬉しくてちょっと泣いてしまった。ハチャメチャな部分もあるけど、「俺たちはこれをやりたいんだ!」というのを全力でやっているのが、とても良かった。ギンギラにも参加しながら、演出・脚本を担当した大串くん、それを支えたWETメンバー、みんな本当によくやったと思う。

このまま、好きなことを思いっきりやり続けてほしい。

2013年9月19日 (木)

10月からも色々と

公演と並行して進んでいたCM打ち合わせ。修正した15秒CMの原稿を元に、ロケ場所、衣装、小道具など諸々を決めていく。撮影は10月の初旬を予定。

10月は、このCM撮影のほかに、某ドラマの告知ミニ芝居、百貨店パーティでのミニライブも予定。

博多座で再演する音二郎の稽古も始まっているし、充実した秋となりそうだ。

2013年9月18日 (水)

いつものように郵便でアンケートが届く

公演アンケートの回収率が高いのがギンギラの自慢だ。感謝の気持ちで一枚ずつしっかり目を通す。そして、嬉しいコメントは笑顔で、厳しい意見は、身を引き締めて受け止めている。

さらにありがたいのが、郵送で届くアンケート。わざわざ封筒に入れて切手を貼ってポストに投函してくれる手間をかけてくれるなんて・・・。公演後に毎回書いているが、メールで意思疎通が簡単になった今、手間をかけてくれるのが本当にありがたい。

手間と言えば、「地元密着」を掲げるギンギラを遠方から見に来てくれているお客さま。わざわざ交通費・宿泊費を払ってまできてくれているのだ。

演劇◎定点カメラ(http://homepage1.nifty.com/mneko/index.htm)を主宰している「まねきねこ」さんも、そう。パルコ以来、ずっと来てくれているのが嬉しい。そして、その言葉がとても励みになる。 

2013年9月16日 (月)

最終日

ギンギラ出演が初めての役者もいるので、「最終日も、いつも通りに存分に」と声をかける。稽古で作り上げた世界観を守りつつ、再現になるのではなく、毎回を新鮮な気持ちでやるのだ。

おかげさまで当日のお客さまも多く、盛り上がる最終日となった。昨日も書いたように、今回の作品をとても気に入っているので、評判がいいのが本当にうれしい。

アンケートを読むと、岩手出身の方や、宮沢賢治に詳しいお客さまには、「知っているからこそのおもしろさ」を堪能してもらえている。もちろん、詳しくないお客さまも、決して置いてけぼりではなく「ギンギラの新作」として楽しんでくれている。

短編集と名付けているが、実は「すべての物語が緩やかにつながっていること」に気づいてくれたお客さまも多数。

さらに「下品コントも良し」と言うお客様も多い。まあ観てもらえればわかるように「下品コント」とあえて品が悪い感じに告知したが、実際は「生きること」をギンギラ流に真剣に訴えた作品だったので、そこがきちんと伝わったのもうれしかった。

長年やっていると、「自分がやりたいこと」と「お客さまが求めるもの」との間にずれが出ることもあるから、好評なのが本当にうれしいのだ。

まあ、人を呼ぶことが大変な演劇というジャンルで、16年間ここまでやれているんだから、幸せな悩みと思わないといけないのかもしれないが。 

2013年9月15日 (日)

空席があるのは残念だが、納得がいく作品を観てもらえた満足感「ここから始まるのだ」

劇場に通って公演の日々。本番でのお客様の反応がとても良く、公演アンケートでも、高く評価してくれているお客様が多い。

去年から、ギンギラ初期のやり方である「公演ごとにキャストを集めるシステム」に戻して3作目。ようやく、自分がやりたい形での作品をお客様に喜んでもらえたなと思う。

満席完売といかなかったのは残念だが、納得がいく作品が出来た満足感と、観てくれたお客様の反応に、「ここから始まるのだ」と言う手応えがあり、ボクは燃えている。

昨日の中打ち上げで、みんなに話したことを書く。

「ギンギラが生まれ変わるのは3回目です。最初は17年前。短いコントを上演する集団から、本格的な演劇を上演するようになった時。2回目は、笑い中心だった作品から、泣ける要素を加えるようになった時。どちらの変化の時も、最初は動員が落ちました。「変わるなら今後は観ない」と厳しいアンケートも多かったです。でも、変わらず応援してくれるお客様もいました。そして、そのお客様からの口コミと、変化後に出会ったお客様との輪のひろがりで、再び成長してきました。去年の体制変更後から3作目の今回、ようやく「納得がいく新しいスタイル」が出来ました。観て下さったお客様の反応はとても良く、1度目、2度目の変化の時を思い出させます。ここからまたスタートです」。

ギンギラ第3章のはじまりを確信した。

さあ残すは明日の昼公演。来てくれたお客様との確かな関係を、ここから築いていくのだ。

2013年9月13日 (金)

お客様に支えられている事を実感

いよいよ公演初日。初めてギンギラに参加するWETの若手も緊張している。そして恒例の記念写真大会。

舞台に飛び出していくと、会場は大盛り上がり。お客様の「楽しみに待っていてくれている熱気」を体中で感じて、こちらのテンションも一気に上がる。本当にありがたい。時間が許す限りお客様とお話しをして記念写真撮影。

そして本編。今回の作品は気に入っている自信作なので、それぞれでのお客様の反応が嬉しい。役者もそれぞれ良い感じ。

全体の主役として、しっかり真ん中に立ってくれてる大竹謙作。宮沢賢治な世界を、見事に支えている宗マキコと東真純。メインキャラから脇キャラまで大暴れで、ちょっとだけだが見事な歌声も披露してくれる中村雪絵。凛とした立ち姿で大人な女性を演じてくれている池田さん。池田さんと共に物語を支える「あまおう」迫雅貴。外国人キャラから敵キャラまで、存分にやっているヒデ。殺陣場面で見事なキレをみせる大串到生。唯一全ての短編に登場し、怒濤の着替えをする西山太一。ニセ菓子、悲しいビデオテープなど、ギンギラ的おバカキャラに挑戦してくれている、こもだあさみ。

役者が本当に頑張ってくれている。もちろん、ボクも汗だくになりながら舞台を走り回ってますよ。

作品が好評なのが何より。

2013年9月12日 (木)

キッカケあわせ

朝からキッカケあわせ。役者の動き、音楽、照明のタイミング、大道具の動きなど、山のようにあるキッカケを1つずつ確認していく。

稽古場での想定通りの場面は良いが、やはり現場に来てわかることもある。そう言う場合の「想定外の修正」で、元々の案よりもいいアイデアを出せるかどうかが腕の見せ所。

「困った時は、より面白く」がギンギラらしさ。

さあ、いよいよ明日から本番!今回出演する11人が、それぞれ存分に暴れているので、ぜひ劇場に遊びに来て欲しい。 

2013年9月11日 (水)

小屋入り!

今日から西鉄ホールへ。われらがホームに帰って来た。長年使い慣れている劇場なので、ホッとする。ここで育ち、ときどき外の劇場に暴れに行って、そして帰る場所はここ。まさに我が家。

仕込み1日目は、舞台作りがメイン。

役者は楽屋で「衣裳の確認」「かぶりモノがフィットするように最終調整」「役者同士で動きの確認」など。

劇場に通う日々が始まる。

2013年9月 9日 (月)

大好きなキャラ「ひよ子侍」を演じて欲しかった俳優

三国志に続いて出演してくれている大竹君。稽古場で演じる彼を見ていると、ギンギラの看板俳優だった松清貴樹(松ちゃん)を思い出す。松ちゃんは、二枚目だけでなく、三枚目も出来る、まさに「ギンギラの看板俳優」だった。

嘉穂劇場でのひよ子侍を最後に舞台を離れたが、今でもギンギラの男優陣の中で一番だったなぁと思う。天神開拓史の初代ソラリア役なんてホント素晴らしかった。

大竹君には、その松ちゃんを思い出させる魅力がある。

2013年9月 6日 (金)

「家電鉄道の夜」を支える3人の女優陣

ベスト電器を主役に家電業界を描いた「家電鉄道の夜」。もちろん「銀河鉄道の夜」のギンギラ版で「賢治の世界をモノ達が表現したら」という作品になっている。家電業界の、「過去と未来」「あの世とこの世」をそれぞれ鉄道に例えて、その全てが分岐点で交差する物語だ。

過去のベスト電器を演じるのは宗さん。おバカなギンギラの世界と童話の世界をつなぐ難しい役を演じてくれている。彼女は、所属する「劇団きらら」でも星の王子様を演じ、年齢不詳の妖怪のような存在感で(これ、褒め言葉)、その世界を見事に生きていた。今回も存分にやってもらっている。

宗さんの相手役は、WETの東さん。彼女には「生きてるし、死んでるし」という、これまた難しい役を演じてもらっている。彼女の「声の響き」が素敵なので、それを生かしてもらえるように稽古中。

そして、この2人をつなぐのが、「時空を超えて登場するブラウン管テレビ」を演じる雪絵ちゃん。毎度ながら、今回も大暴れの役どころ。去年上演したオムレットでの「自分のフタを閉じて引きこもるオーブンの母」「歌うローソン」、三国志での「寿オババ」など、物語を芯で支えるだけでなく、脇にまわって歌ったり、踊ったりと、何でもOKの頼りになる女優。

この3人が中心となって、「おバカなギンギラの世界と童話の世界の融合」を演じてくれている。自分で本を書いて演出しているのに、毎回新鮮で楽しい。 

2013年9月 4日 (水)

休憩時間のおバカ話から生まれた場面

順調に通し稽古中。ほぼ完成しているので、今日の稽古も早く終わる事にした。で、終わりがけにみんなでワイワイ喋っているときのこと、ふと誰かが「ドリンクバーの「バー」って、オババの「婆」みたいで面白いですよね」と言った。

これに、ピンと来たよ!稽古が終わって家に帰り、速攻で「食べ放題のバーとオムレットの場面」を書き上げ、キャストにメールで送り、さっそくかぶりモノも追加作製。

マクベスの魔女3人のような場面で、ますますシェークスピア度も増したかなと。公演直前ではあるけど、みんなも面白がってくれて良い感じ。

新しい座組なので、最初こそゆっくりスタートした稽古だったが、そのじっくりやったおかげで良い一体感が生まれていると思う。結果、急な追加場面にも、動じることなくすぐに対応できる集団力がついてきた。

マシンとなって「かぶりモノ製作」&映画「キャビン」

昨日書き忘れていたが、稽古場に福澤さんが遊びに来てくれた。実は、9月公演も、もっと早く決まっていれば出てもらえたのだが、先に決まった芝居があり、残念ながら今回の出演は無し。公演、どんたく、ナイトシャッフルと、全てに出演してくれている、頼りになる役者なので、次回はぜひ。

今日は、朝からかぶりモノ製作。すでにピックアップ済の「今回出演する既存のかぶりモノ」の顔型修正から。大顔の男子が使ったかぶりモノを、そのまま女子が使おうとするとブカブカで顔が飛び出してしまうのでサイズを直すのだ。

午後からは新規かぶりモノの製作。ひたすらに、ただ、ひたすらに作り続ける。幸い、雨が降ることもなく、塗装作業も同時進行。

作業の流れは、「頭の中にあるかぶりモノの完成形」を元に、全体の大きさを即興で決めながら材料を切り出し、ホットボンドで組み立て。毎度の事ながら設計図なんてない。1つ出来たら着色作業をして、色が乾く間に2つ目の製作へ。

時間の隙間が出来ることなく、マシンのように完成させていく。

今日は、来年客演するショーマンシップの顔合わせだったが、公演前でバタバタなので「終わって改めて」と言うことにしてもらっている。なので、一日家を出ることなく、「かぶりモノ製造マシン」になっていた。

さすがに一日マシンでいるとヘトヘトなので、夜はちょっとだけ息抜き。お気に入りのホラー映画「キャビン」のラスト20分を観る。この映画は、「山小屋に集まった若者が襲われる」と言うお約束ストーリーに、「その山小屋を監視する謎の組織が登場」という、今までになかった展開が話題になった作品。後半の展開で好き嫌いが分かれるようだが、ボクは気に入っている。詳しくはネタバレになるので書かないが、後半の、様々な方々を観ているだけでも楽しい。

さんざん手アカがついた展開を、「組み合わせの妙」で見事に形にしたのが素晴らしい。物語は、工夫次第で新しくなるんだなと。 

2013年9月 3日 (火)

「アタリマエニモ負ケズ」の稽古&スタッフ会議

昼から音響、照明のスタッフ会議。音響はすでに曲リストを作っているので、そのリストにあわせて候補曲を絞り込んでいく。今回、候補まで含めてリストアップした曲は65曲。それぞれを聞きながら曲を絞り込んでいく。

決まった曲のイメージにあわせて照明の話も。毎度の事ながら「ギンギラはキッカケが普通の芝居の三倍ぐらいある」と言われているので、かなりの量。まあ今回は1時間の短編集なので、ギンギラ的には少ない方だけどね。

夜は稽古。「アタリマエニモ負ケズ」を全員で。もちろんこれは、「雨ニモ負ケズ」のギンギラ版。モノ達が決意表明をする詩になっている。

「アタリマエニモ負ケズ」が、今回一番言いたいことかなと。

2013年9月 2日 (月)

「注文の多いニセ菓子店」の稽古

今日の稽古は、きらら座長の池田さん中心に。今回、池田さんに演じてもらう役は、「注文の多いニセ菓子店」に登場する、福岡名産イチゴ「あまおう」の母苗木。

昔から、池田さんの立ち姿が美しいと思ってたので、それを存分に生かしてもらおうと、上半身の動きを演出中。

なぜ上半身かというと、苗木は土に植わっていて動けないから。モノを演じるギンギラならではの無茶ぶりに、応えてくれている池田さんが頼もしい。

子イチゴの役は、WETの迫君。でかい体に、子どものような笑顔が印象的な、まさに「子イチゴ」にピッタリの役者。脚本を書いている段階で、池田さんの母苗木と迫君の子イチゴは決めていた。

周りを固めているのもWETの若手たち。WETは時代劇が大好きなやんちゃな劇団なので、その世界観をギンギラとコラボと言うわけ。 

2013年9月 1日 (日)

人生を追いかける番組

NHKのドキュメンタリー「7年ごとの成長記録~28歳になりました」を観た。日本各地に住む13人の成長を追いかけたドキュメンタリー番組で、7歳、14歳、21歳、28歳の、それぞれの時にインタビューをした映像で構成されている。

無邪気に夢を語っていた子ども時代、揺れる十代、そして現実と格闘する現在。時には残酷な現実もあり、目が離せない番組だった。

昨日は、この番組の元となったイギリス版「56歳になりました」が放送だった。もちろん、じっくりと観る。最近、早送りをせずにキチンと観ているのは、このドキュメンタリーと半沢直樹ぐらい。

「さて、自分の場合はどうだったかな」と、7年ごとに振り返ってみると、30代からは今につながっているが、10代から20代前半までは、ちょっと違えば、全然違う人生だったよなと思う。

大塚ムネトの不定期日記